和歌山鉄道・和歌山電気軌道時代の車両
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電車化後のモハニ103(左)とモハ205
昭和27年5月(写真:和田康之)
キ100形 101〜103 / モハ103
  • 昭和4年(1929)10月丸山車両製の4輪単車ガソリン客車。
  • 最大寸法は9,057(101号のみ9,296)×2,642×3,585、自重6.65t、定員46人
  • ウォーケッシャの6気筒エンジン(標準出力40kW,最大65kW)を搭載。
     
  • キ103号は昭和19年(1944)5月加藤車両で電動車に改造され、モハニ103(出力47ps×2)ボギー車として、昭和28年(1953)2月10日付で廃車になるまで使用された。
  • キ101,102号は電車化されることなく廃車。このうち1両は昭和18年(1943)大和鉄道に売却されている。

電車化後のモハ201
昭和36年9月(写真:藤井信夫)
 
キハニ200形 201 / モハ201
  • 昭和6年(1931)9月小島工業所製。ガソリンカーとしてウォーケッシャの6気筒エンジン(標準出力58kW,最大75kWを搭載。
     
  • 昭和17(1942)8月電動車に改造されモハ200形201となる。
  • 電車化当時の台車はガソリンカー用を使用していたが、昭和27年(1952)10月にはブリル27GE1に履き替えている。電動機も昭和27年(1931)にはWH37.5kW×2からTDK48.5kWへ変更になり、昭和30年(1955)1月には制御器が総括式になっている。


 

モハ300 東和歌山(現 和歌山)
昭和30年1月(写真:和田康之)
モハ300形
  • 南海軌道線電2形57(大正10年川崎造船製)を昭和18(1943)年11月に譲受し、南海天下茶屋工場で鉄道線用に改造され、昭和19(1944)年より貴志川線で使用。
  • 昭和30(1955)年7月10日付で、モハ600形の導入により廃車。


 


モハ501 貴志
昭和30年4月 (写真:和田康之)
モハ501形 501(後 モハ603), 502(後 クハ804)
  • 昭和23(1948)年 元東京急行電鉄よりクハ3141,3411(旧京浜の木造車)を譲受し、東横車両で電動車に改造されモハ501,502として同年9月登場。

     
  • 車体の老朽が激しく、その後モハ501形は京阪神急行電鉄から譲受した元阪急81形84の車体に変更され、昭和31年3月にモハ603として再登場した。
  • モハ502形は昭和30(1955)年9月 元阪急1形No.8の車体と振替えてクハ化され クハ804となる。

モハ603 大池遊園
昭和36年10月 (写真:藤井信夫)

モハ601 伊太祁曽
昭和36年9月(写真:藤井信夫)
モハ601形 601,602
  • 元阪急の旧車体(京阪神急行電鉄から譲受)に南海より譲受した台車を付けて、昭和30(1955)年11月貴志川線(和歌山鉄道)での運用を開始。
  • 阪急時代の旧番はそれぞれ70,60で大正9(1920)年から10年にかけて梅鉢鉄工所製。


 


サハ8001 伊太祁曽
昭和27年9月(写真:和田康之)
サハ8001/クハ801
  • 昭和4(1929)年12月 日本車輌製。芸備鉄道の片ボギーガソリンカー(キハ3)として誕生した。その後芸備鉄道は昭和9(1934)年6月国鉄に買収され、その後もキハ5020として使用された。

     
  • 昭和16(1941)年6月27日 貴志川線(和歌山鉄道)に譲受されトレーラとして運用を開始する。
  • 昭和24(1949)年9月にサハ8001に改番。
  • 昭和30(1955)年1月にクハに改造されクハ801となる。

     
  • 珍しい片ボギー車も乗客などには不評で、和歌山電気軌道に合併後はモハ605が増備され昭和35(1960)年6月18日を最後に使用されなくなる。

クハ801 伊太祁曽
昭和39年9月(写真:藤井信夫)

クハ802 伊太祁曽付近
昭和31年4月(写真:鹿島雅美)
クハ802
  • 昭和6(1931)年1月 日本車輌製。元片上鉄道のガソリンカー(キハニ102)で戦時中エンジンを撤去して客車となり、昭和23(1948)年3月クハ102となる。
  • 昭和26(1951)年11月からの3年間は岡山臨港鉄道に貸与される。

     
  • 昭和30(1955)年2月 和歌山鉄道に譲渡され、ナニワ工機でクハ化されクハ802として運用。
  • 前後両側に荷台を付けている。
  • 昭和44年1051系導入時に全廃。

クハ803 貴志
昭和34年8月(写真:藤井信夫)
クハ803
  • 昭和10(1935)年8月 加藤車輌製。元片上鉄道のガソリンカー(キハニ120)で、両側に荷台がついている。




出典・参考文献:鉄道車両めぐり特輯 第1輯:藤井 信夫 編 (昭和52年7月1日初版)
俺たちの旅:レイルロード(1996年12月31日発行)