モハ1201形は、昭和9年から16年にかけて製造された18m 2枚扉、2段の上昇式窓使用の南海旧型標準車両である。
当初は南海線の普通・区間列車用として使用され、戦後からは高野線の平坦区間にも乗り入れるようになる。
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本線に20mの新型車が導入されるようになると、1201形車両は天王寺支線・加太線などの各支線に追いやられた。
その後、各支線に1521系が投入されるようになったのと、貴志川線の輸送力向上のために昭和46年1201形車両は貴志川線に集結した。
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加太線で活躍していた頃
1971年頃/加太線中松江
(写真:中嶋克己) |
貴志川線では平成7年3月まで、還暦を迎える車両もある中で塗装など手入れもすばらしく現役で活躍していたが、時代の波には勝てず同年3月31日をもって1201形は全車廃車引退となる。
1993年4月にATS/CTCが導入されるまでの長い間、右の写真にあるように貴志川線の行き違いの行われる駅ではタブレット交換が行われていた。
車内の窓枠や肘掛けなどはニス塗りの木製で座席も深い座り心地であったが、夏は扇風機による空調のみだったので、窓は全開で乗客は苦労したことを覚えている。でも当時はこれが普通だと思える古き良き時代でもあった。
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貴志川線時代
1992年10月/伊太祁曽
(写真:末鷹 義雄) |
1995年3月からの2270系導入に伴い、1201形は順次廃車されていった。
廃車後は、モハ1202号車は京都の加悦SL広場で静態保存され、モハ1210号車は南紀勝浦にあるグリンぴあ南紀でカラオケボックスの休憩所として第2の人生を送っているが、この2両以外はすべて解体された。
加悦SL広場のモハ1202号車は今後も丁寧に保存されていくと期待されるが、グリンピア南紀のモハ1210号車はたぶん短命になるのではと私は思う。
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京都加悦SL広場
1995年5月 |
南海貴志川線時代のモハ1201形諸元表 |
形式
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モハ1201
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車種
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cMc
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cMc
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Mc
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Mc
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番号
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1201-1203
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1204
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1210,1213
1217,1234
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1218,1241
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車体構造
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鋼製
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鋼製
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鋼製
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鋼製
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車体寸法
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長さ
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18,080
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18,080
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18,300
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18,300
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幅
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2,744
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2,744
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2,744
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2,744
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高さ
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4,160
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4,160
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4,160
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4,160
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自重(t)
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37.5
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37.5
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37.5
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37.5
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定員(人)
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定員
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130
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130
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137
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137
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座席
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58
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58
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60
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60
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台車
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K-16
金属バネ
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K-16
金属バネ
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K-16
金属バネ
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K-16
金属バネ
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主電動機
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MB-146-SFR
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MB-146-SFR
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MB-146-SFR
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MB-146-SFR
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出力
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75kW×4pcs
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75kW×4pcs
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75kW×4pcs
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75kW×4pcs
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駆動形式
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吊掛式
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吊掛式
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吊掛式
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吊掛式
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歯車比
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55:28
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55:28
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55:28
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55:28
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制御装置
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PC-14-N
抵抗制御
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PC-14-N
抵抗制御
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PC-14-N
抵抗制御
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PC-14-N
抵抗制御
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制動装置
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AMA
自動空気
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AMA
自動空気
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AMA
自動空気
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AMA
自動空気
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補助電源装置
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型式 |
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TDK-366-A
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TDK-366-A
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-
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出力
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-
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5.5kVA
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5.5kVA
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空気圧縮機
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型式
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DH-25
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DH-25
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DH-25
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DH-25
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容量
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冷房装置
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型式
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-
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能力
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